| 改訂新版・日本植物誌・顕花編・シダ編・2冊・FLORA OF JAPAN/大井次三郎/牧野富太郎と並んで日本の植物分類学の基礎を築く・日本の植物を網羅
改訂新版・日本植物誌・顕花編・シダ編・2冊 1冊は外箱欠。 昭和47年 1550ページと244ページ 厚めの本です。 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。
本書は植物学,林学, 農学,その他一般に植物学に関係ある学徒や,教育上,産業上等の見地か ら日本の顕花植物の検定や分類を志す人々への案内書として,また一層精細な研究への基礎の書と してのべたものである。欧米諸国にはいずれも立派な植物誌が幾種も出版されていて,自生の植物 を簡単に調べる事ができるのに対して,我が国では長年の要望にもかかわらずこの種のものが出版 されず,不便このうえもなかった。その理由はわが国土が南北に長く,地勢も複雑である上に地史 上の関係もあって,面積の割合には種類が多いのと,まだ研究の歴史が浅くて,関係論文が数多く 出版されてはいるが,研究されていない分野もかなり残っているために,これを統合的に記述する 機運に向かっていなかったからである。
それにもかかわらず前にのべた理由から、著者は不才を省 みず本書の記述を志したのであるが,同時にこれが著者にとっての出発点でもある。したがって今 務諸学者の研究の結果をまって改めるべき所が多かろうことは止むを得ない。著者は部分的にはか なり以前から着手していたが,本書のような形式で書き始めたのは第二次世界大戦の終わった翌年 の秋葉者が国立科学博物館に勤務するようになってからであった。先輩諸学者の高説を究明しつ つ着手したが,同じ部分でも学者によりまた時代により種の大きさにかなりの相違があって,得た 結果は必ずしも一致せず,精細にわたり過ぎたり,あるいは概略に終わり,その結果は色々である がこれ等は全体の統一から考えて,できるだけ中庸を得るように改めた。種類がはなはだしく多く、その上に定説のない少数の属では,これ等を一通り検討するだけでもはなはだ長い年月を必要 とするので、やむをえず著者に不明のまま重要な少数種のみを挙げるに止めた。
著者の不才に原因する思わざる誤りも多いと思われるが,それらは大方の御示教により,また従 来不分明の部分や,旧説の改善等は専門家の研究の結果をまって,機会を得て補正したい。
本書は日本植物の種および顕著な変種,すなわち分類学的に重要なもののみを明らかにするのを 主眼とした。それ以下の細かい変異,たとえば単なる花色の変化,重弁品,葉の広狭,その他崎型 品や園芸品種等の検定は,本種の目的外でもあり,またそれ等は植物誌としては重要なものではな い上に,それ等を説明するのはあまりに彦大なものとなる恐れがあるので,その大半を割愛した。
また異名も比較的重要なもののみに止め,その原典も本書の目的上不要であるから省略した。 科およびその配列の順序は,多少の例外はあるが大体エングラー, プラントル両氏の植物分科大綱により,科の特徴の説明の後に,属までの検索表を付し,また属の後には種までの検索表を付した。検索表は検索に便利な事を主眼としたので,自然分類と一致するとは限らないがなるべく一致するようにつとめた。検索表はできうる限り実物に基づいた一々の種類の説明文と共に本書の特色の一つであると思われる。
はしがき 昭和 28 年に出版された「日本植物誌」は顕花植物のみを取扱い,羊歯植物がないために不便でもあり,またやや完全でない感みがあった。筆者は羊歯植物は専門ではないが,今回日本植物誌の英訳を計画中であり,それに付け加えるために既刊の顕花植物の部分とほぼ同じ様式で記述したので,それを英文で出版するに先だち, 日本植物誌の続篇として公に することが出来たが、読者のお役に立てば幸いである。真正羊歯類の科と属との範囲及び配 列は,いろいろの問題はあるが,コープランド著「羊歯類の属」に従い、少しも筆者の意見を加えることをしなかった。
この羊歯植物篇の著作に当つてお世話になった方々は数多いが,中でも英文よりも早く出版することを快諾せられたアメリカ, ワシントン, スミソニアン研究所のウオーカー博士及びミズーリ植物園のマイヤー博士,貴重な図書を快く貸与された東京教育大学の伊藤洋教授,及びいろいろと珍らしい標本を科学博物館に寄贈され,便宜を与えられた東京大学農学部の倉田悟助教授に厚く謝意を表する。また本書に入れられた貴重な生態写真の数々は北海道大学の館脇操教授,東京都下浅川林業試験所長の林弥栄氏,静岡市在住の大村敏朗氏,鹿児島大学農学部の初島住彦教授,鹿児島県立大学の新敏夫教授,九州農事試験所種子島試験地の大内山茂樹氏そのほかの方々の御厚意によるものであって,それ等の方々の御厚意に深謝する。
大井 次三郎(おおい じさぶろう、1905年9月18日 - 1977年2月22日)は、日本の植物学者。牧野富太郎と並んで、日本の植物分類学の基礎を築いた人物である。 カヤツリグサ科の植物を中心に分類を行い、多くの植物を命名した。またその植物分類に対する功績をたたえ、ツクシオオガヤツリ (Cyperus ohwii) など、大井に献名された植物もある。 同博物館の図書課長を務めていた1953年に、それまでに知られていた日本の植物を網羅した『日本植物誌』(のちに『新日本植物誌』として改訂)を刊行。同書は『Flora of Japan』として英訳もなされた。またその功績を讃えられ、1971年に朝日賞を受賞した。
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